「まがいものの乙女たち」に向けてインタビュー⑤ 大塚愛里さん

「まがいものの乙女たち」インタビュー第五弾は、福岡女学院大学表現学科四年の大塚愛里さんです。

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 ーそれでは、自己紹介からお願いいたします。

大塚愛里(以後大塚):大塚愛里と申します。福岡女学院大学四年生です。

高校の時から演劇部で、毎年地区大会に出ていました。また、地域の市民劇団での活動に参加し、大学での活動につなげています。去年公演した、福岡女学院大学5団体合同公演の「あゆみ」はとても印象に残っています。柴幸雄さんの「あゆみ」を、8名のキャストでやったのですが、とても楽しかったし、記憶に残っています。その他、「テンペスト」や「桜の園」などに出演しました。だから、今回はしゃべり言葉で、自然な演技を出来るのがうれしいです。

 —今までは、大きな芝居だった、という感じですか?

大塚:うーん、そうですね、今まで、学生演劇では「形」や「見え方」の方を重視した演出の方法が多くて、外堀を固めていくような現場が多かったのです。やっぱり、古典が多かったからかな…。

 —「あゆみ」は、一見、そういう演出から離れているように思えるけれど。

大塚:やっぱり稽古となると、「こう動いてほしい」とか「ここでこういう立ち位置に居て」とか、身体の動きや立ち位置のバランスなどに対する細かい指示のほうが多くて。ほんとは役者の内面もつきつめるべきではあるはずなのですが、それよりも段取りが先でした。形から作って、後付けでこの役はこういうことを考えているんだよということに「する」っていうか……。だから、今回のような、内面から役について考えることができる芝居は、とてもうれしいなと思っています。

 —大塚さんも、「狐/真夜中の共謀」を観にきていただいていました。どんな印象でしたか?

大塚:世界観がすごいなと思いました。派手じゃないけどゆったりな感じで、照明などがそれと合わさって、静かだけどちゃんと役はしっかりつくってあるというか…。今まで観てきた演劇で、だれがどれやってるかわからん…というのが結構あるんですが、その辺りもすぐに入り込めるというか、ひとがわかるから物語にもすぐ馴染めていいなと思いました。灯台とスプーンのみなさんの印象も、狐のイメージが強くて、丸くて神秘的そうな感じがします。なに言ってるんだろう…私、こういうこと言うの苦手なんです。すみません。笑。

 —「まがいものの乙女たち」の作品の印象はいかがですか。

大塚:中学生特有の、あの何とも言えないどろどろした感情とか、「皆」の輪の中に入らなきゃいけない使命感みたいなのとか、何か分からないけどずっと息苦しいような…。そういう今はもう忘れてしまった懐かしい感情がぶわっと吹き上げてくるような作品だと思います。私、演じながら何だか苦しくなりますもん。笑 何なんでしょうね、あの空気。
それを上手く表現したいです。お客様も、その感覚を思い出してもらえるくらい。

 —それでは最後に、意気込みなどあればどうぞ。

大塚:頂いている役について、こんなに悩むのも久しぶりだなと思います。引き出しにない役だなと。元々持っていない、理解できないような感情って想像力が必要なので、難しいです。でも、理解しないと、自分の中の違和感は無くならない。それでも、すごくやっていて楽しいので、演劇が好きだなと思います。

 —苦労しているけれど、誰でもが出せるわけじゃない役の雰囲気を引き出して、良い演技になって来ていると思います。

大塚:今回の公演では、本当に勉強というか、できることをたくさんやって、色んなものを吸収したいなと思っています。お客さんがいるものなので、もちろん良いものをお見せできるようにしたいというのが一番にありますが、せっかく内面的な演劇が出来るので、そこの作り込みをできるところまでつきつめていきたいと思っています。ぜひ、観に来てください。


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灯台とスプーン第二回公演
「まがいものの乙女たち」
作・演出:田村さえ

日時

2016年2月
19日(金) 19:00~
20日(土) 14:00~/18:00~★
21日(日) 14:00~/18:00~

★…深町将詞氏によるアフターライブ有。

開演30分前より開場いたします。

会場

紺屋2023 konya-gallery
(福岡市中央区大名1-14-28 第一松村ビル202)

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