「あめふりヶ丘夜想曲」にむけてのコラム 安藤美由紀
2年間のお休みから復帰し、「あめふりヶ丘夜想曲」で久しぶりに出演する安藤美由紀のコラムです。
お久しぶりです
お元気ですか
今日は、どんな一日でしたか?
楽しいこと、苦しいこと、腹立たしいこと、嬉しいこと、
風が柔らかく吹いていたこと、沢山笑ったこと、
遠い昔を思い出したこと、上手く伝えられなかったこと、
お風呂のお湯が温かかったこと、雨が降っていたこと、
沢山の積み重ねが時間の経過となって、今があり、過去があり、きっと未来もやって来る。
でも、今目の前にいる相手が、どんな日々を過ごしてきたか、本質的に理解することは、とても、難しい。
ある日突然大切な人がいなくなったとき、私は初めて「足元がない感覚」を知りました。【自分が立っているこの地面に、私の居場所がない】とても、恐ろしいことでした。
日々は忙しく過ぎていき、私は毎日笑っていました。明日の準備、明後日の予定、来週までにしておきたいこと、日常を淡々と進めていく中で、心は常に泣き叫びたい衝動を抱えていました。でも、誰にも言えなかった。「わかるよ」って、言って欲しくなかった。わかられてしまったら、自分がどれだけちっぽけな人間か、バレてしまいますからね。
そんなのは嫌ですから。
でも、それを隠して生きている間に、周りはどんどん進んでいく。私はどんどん「こんなはずじゃなかった自分」になっていく。。。
だから、頑張ったんです。足元をつくるために。
私はここに立っているんだぞ!って言うために。
でも、今年もまた、沢山の「大切」をなくしました。また、足元はなくなりました。
そして、人の話を聴くことが、だんだんキツくなっていきました。
だって、毎日サッカーをやった話や、早く走れた話、自転車に乗った話を聴いている気分なんです。
もはや自分には、足がないのに。
でも、誰になんて言ったって、返ってくる言葉に傷ついてしまう。傷ついてしまう想像をしただけで、疲れてしまう。
嫌ですね。嫌な話です。
今回のお話は、もっと「嫌」かもしれません。
足元どころか、腕までなくして、芋虫になった気分です。芋虫になってまで、今日も明日も明後日も来るんです。
苦しいです。誰か、助けに来てください。
そんな、お話。
……私の演じる「和音」にとっては。
お楽しみに。
「あめふりヶ丘夜想曲」
作・演出 田村 さえ
出演:安藤 美由紀 後藤 百合香 田村 さえ 柳田 詩織
あめふりヶ丘と呼ばれる高台の住宅地にかつてピアノ教室を営んでいた高見家の実家がある。その日は長女の結婚をきっかけに、離れて暮らしていた四姉妹全員が揃っていた。しかし、昼過ぎから降り始めた雨は次第に強まり、テレビでは十六年ぶりの豪雨災害になる可能性を報じている。この丘に降った雨はいつも、丘の下の街に向かって流れていく。
家の中にとり残された姉妹たちの会話劇。
日時:
2020年
10月24日(土)18:00
10月25日(日)13:00/16:00(★)
開場は開演の30分前
★10/25 16:00の回はライブ配信あり。(アーカイブは11/8まで視聴できます)
会場:諫早独楽劇場(長崎県諫早市八天町KGビル2F)
※会場に駐車場はございません。近隣駐車場をご利用ください。
料金:2,000円(駄菓子お土産付)
ご予約フォームはこちらhttps://www.quartet-online.net/ticket/amefurigaoka
【ライブ配信について】
10/25 16:00 ライブ配信無料(投げ銭制)
ライブ配信はこちら【公式】コマゲキジョウ https://www.youtube.com/channel/UCzrj8CvHj75K3bOFwbCtgbQ
無料配信ですが、ぜひ投げ銭(駄菓子購入)をお願いいたします。
投げ銭はこちらhttps://komqagrkijou.thebase.in/