LIGHTHOUSE CAMP CIRCLEをはじめました

灯台とスプーンは、演劇を通してさまざまな人と関わり、お話をすることを重視したいと考え、LIGHTHOUSE CAMP CIRCLEという集まりを、2月よりスタートしました。

「灯台とスプーン」という場は「物語を通して、夜の暗くて怖い海を少しでも明るくし、海の向こうへシグナルを届ける、生活と共にある場」というイメージより、発足時に田村がつけた名前です。

今も劇場で使用されているフレネルレンズは、もともと灯台が海の向こうの航海者まで真っすぐ力強い灯りを届けるために発明されたものです。灯台とスプーンの作品群は、毎回この名の祈りを込めて作られています。作品の内容がどれだけハードな展開でも、そして物語を作るのが辛い時期も、この名前が包んでくれるおかげでその名にふさわしい物語の終わらせ方を目指すことを続けてこれたと思っています。

今回はじまる「Lighthouse Camp Circle / 灯台キャンプ場」は、その灯台の「もと」、灯台下暗しとも呼ばれる場にあたらしいキャンプ場をつくり、これまでの劇団員(灯台守)だけでなく、自由に集い、交流や実験を通してさまざまな「やってみたい、一緒にやってみよう」、が起こる場を目指します。

そこから演劇が立ち上がるかもしれませんし、演劇という名称にこだわらない何か、が生まれるかもしれません。
ただお散歩をしたり、お茶をするだけでも良いと思っています。
今のところ、キャンプをしたりお花見をしようという案が出ています。

集まったアーティスト同士のサードプレイス、あたらしい生活の一面となっていけばいいなと思います。

私は劇場という言葉が好きです。
そこは、私にとって人生と地続きでありながら、全く別の体験ができる場だからです。
しかし未だに「劇場」という言葉は私にとって、あるいは誰かにとって重く高尚な、選ばれた人しか行けない場なのかもしれないとも思います。

たとえば、
派手なもの/すばらしいもの/見た目がきれいとか、かわいい、かっこいい/演技がうまい
自分の世界から遠い/すごいひとがいる/堂々として輝いている/面白い、笑える

これらも劇場で表現されるもの、人の価値のありかたかもしれませんが、
この場ではこれらを優先的な価値とは呼ばないようにし、
お互いが持っているものや考えを持ち寄り、豊かさを探す時間そのものを価値としたいです。


まだうまく「これだ」という言葉が見つかっていませんが、例えるなら「焚き火をしてるからちょっと集まろうよ」というひとつの劇場のあり方として、この集まりの形を名付けるとしたら「キャンプ」がいいと思いました。
火を焼べるために集まった一日が、その後の人生を変える程の特別な時間になるかもしれない。人とひと同士のあたたかい交流こそが私たちの灯です。

それがいつか海の向こうの誰かまで届く灯りに変わるかもしれない。
そういうことを期待しています。

田村さえ

キャンプ場によくあそびにくる人たち

田村さえ 柳田詩織 花森もも 後藤百合香
(以上、灯台とスプーン)

足立万実(劇団ジグザグバイト)
有森 楓
久保 文恵
桜井玲奈
進藤アヤノ
服部 優
藤 桃子
龍太郎(非・売れ線系ビーナス/melomys)
柳田光優

その他にも、ときどき遊びにくる人たちがいます。

※キャンプ場は、所属にこだわらない、作り手たちが集うクリエイションのためのスペースです。
メンバーということばにとらわれず、公平な立場で参加することが可能です。
またお互いが了承をすれば、キャンプ場に友人を連れてきたり、「行ってみたい」と思うひとがいれば、参加をすることが可能です。ぜひ、お越しください。
現状の掟は「火を焚いているひとたちの上から水をかけないこと」「お互いに不安があったら伝え合うこと」。
それ以外は、その場にいる人々がどのような場にしていきたいかによって変化します。
表現することは時にこわいことがつきものですが、この場でお互いが表現をしたり考えを共有する時間は、できるかぎり不安のない場になることを、キャンプ場に集まった人たち全員で目指します。