「しなしなのポップコーンを抱えて」に向けたコラム②久保文恵

灯台とスプーンラボラトリー「しなしなのポップコーンを抱えて」に向けて、毎公演恒例の、俳優コラムをお送りします。第二弾は、灯台とスプーンの久保文恵です。ぜひお読みください。


こんにちは。灯台とスプーンの久保文恵です。
前公演の「狐の鏡/透明な縄」から約1年、月日が経つのは本当に早いものですね。
卒業式後であろう高校生を先日見かけ、もうそんな季節かと驚きました。
まだまだ肌寒い日もありますが太陽が出ている時間も長くなってきて、本格的な春の訪れを感じます。

今回のキャストを見て、不思議な人選だなと思った方もいらっしゃるかもしれません。

藤桃子さんはLIGHTHOUSE CAMP CIRCLEでおなじみ、頼れるお姉さんです。


LODGE vol.01「蝶の舞う夢」での演技を観た時から、フジモモさんといつか共演出来ればな〜と密かに思っており、約3年越しに叶いました。時々お子さんと一緒に稽古に参加され、大人ばかりの稽古場に若い風をビュンビュン吹かせてくれます。

かわむーさん、川村周平さんは今年LIGHTHOUSE CAMP CIRCLEのキソレンへの参加をきっかけに、今回出演して頂くことになりました。キソレンに参加したきっかけが、私の大学時代の同期からの紹介だったそうです。
今までのつながりから輪が広がり、こうして一緒に作品づくりができて嬉しいです。

そして、柳田詩織さんとは前公演でやっとこさ初共演したものの舞台上でのやり取りはほとんどありませんでした。
今回は前回よりも会話してる…と言って良いのか……?
そんな疑問を抱きつつ、今回はしーさんと姉妹役を演じます。
今回に限らずですが、私が悩んだり詰まったりしているとしーさんは心配そうに見守ってくれることが多く、頼りなくて申し訳ないと思いつつそれ以上に有難いなあと思っています。

今回私は、亡くなった千歳の妹である内藤はるかを演じます。


「少し歳も離れているので、一人っ子みたいに育ったんです」とはるかが説明する場面があるのですが、実はこの台詞、私が姉のことを説明する際によく使う言い回しなんです。
自分の口癖が台詞に採用される日が来るとは思いませんでした(笑)
はるかに対してちょっと親近感が湧いたものの、やはり私とは違う人間のようです。
私が姉に対して抱いたことのない感情をはるかはずっと抱いていたり、途中経過は違うけど結果似ているかもと感じるところもあったり、思考は近いけれど出力の仕方が違ったり。
はるかはどういう人間か、稽古でずっと模索していますが、最近は愛しさみたいなものが芽生えている気もします。

本作品で「死」は避けることのできない大きなテーマの1つだと思います。
作品というより、生きとし生けるものには決して避けられないテーマですね。
「死」というと、私は昨年亡くなった祖母のことを真っ先に思い浮かべます。
葬儀で住職さんがお経を読んでいる間、夕方の町内放送が聞こえてきたのが未だに印象に残っています。
私たち親族にとっては祖母を亡くした悲しい日だけど、この悲しい出来事も日常に過ぎないと突きつけられた気がしました。
登場人物が死ぬ物語を読むだけで数日落ち込んでいた子どもの頃は、あんなに非日常的で非現実的にすら感じていたのに、なんだか不思議でした。
ただ、大人になった今でも死後の自分のことを考えると怖くなるのは変わりません。

今回はラボラトリー(実験公演)ということで、今後さまざまな形で継続的な上演を目指しています。
本作品が次回皆さんとお会いするときは、全く違うものになっているかもしれません。
2026年3月20日アトリエ間-あわひ-にて上演の「しなしなのでポップコーンを抱えて」、是非観に来て頂けますと幸いです!


灯台とスプーンラボラトリー
「しなしなのポップコーンを抱えて」公演情報はこちら