灯台とスプーンについて

 

 

 


夜闇にひかる灯台のように
あかりを灯し、

集まってきた人たちと
生活をつづけていくように
創作をつづけていく。

日々の生活を背に、
時にくらい夜の海と向きあいながら

ここから先を
照らす、見つめる、
そんな演劇を作っていきたいです。

灯台とスプーンは福岡で演劇をつくり、上演している団体です。 私たちは女性の視点から見える社会問題や、生きる上で感じる違和感などが織り込まれた演劇の創作を続けてきました。

第4回公演「藪に坐る人」では国家や人種を理由に隔たれる人とひとの分断を魔女と人間の世界にたとえて上演し、第5回公演「幸福な山羊王子とおひめさまのはなし」ではレズビアンカップルに育てられた女性と、トランスジェンダーの人物の生きにくさや現在の法律婚をはじめとした制度への疑問をテーマに上演しました。

2022年に上演された高校演劇の脚本「Aliens」では女子生徒の医学部受験における大学側の不正をきっかけに自らの進路を悩む様子や、外国にルーツをもつ生徒が抱くコミュニケーション等の居心地の悪さなどを取り扱っており、結成当初から作中で表現されていた、世の中に対して感じる“どこかフェアではないと思える何か”を描く姿勢が、創作を続けることで明確化してきたように思います。

演劇は自分とは違う他者の視点や経験、感覚を、俳優の肉体を通して共有することに長けた方法だと考えます。 客席に座った「あなた」が劇中人物と出会い、劇場に来る前と出た後では世界が少し変わっている/これから少しずつ変わる可能性がある。それが私たちが観客に期待することであり、演劇という創作を続ける理由です。今までの価値観、世界の見え方が変わるきっかけとなるような、身近な違和感から始まる演劇作品をつくり続けたいと考えています。

灯台守たちの紹介

田村さえ Sae Tamura

劇作家・演出家。福岡県出身。
2010年より劇作・演出家の活動を開始し、現在まで全ての本公演の作・演出を行う。高校演劇部の外部指導顧問やワークショップを行うほか、ナレーション等の活動も行う。
プロフィール・実績詳細

Twitter id 
@samystam
撮影:武田英

柳田詩織 - Shiori Yanagida

俳優・制作・衣装など。福岡県出身。
2009年より役者として演劇活動を開始。

Twitter id @Iri5ha0

花森もも - Momo Hanamori

俳優・制作・音響など。福岡県出身。
第4回公演「藪に坐る人」に出演後、第5回公演「幸福な山羊王子とおひめさまのはなし」期間中より灯台とスプーンメンバーとなる。

後藤百合香 - Yurika Goto

俳優。福岡県出身。
2020年春加入。諫早公演「あめふりヶ丘夜想曲」で初舞台。

これまでの公演


2015年6月 collaboration live vol.1 “Starting over” @プラネティカ
短編のリーディング作品を音楽家の深町将詞さんの演奏とともに上演。


2015年9月 旗揚げ公演「狐/真夜中の共謀」@いじかるstudio
「ごんぎつね」をモチーフに狐の民俗学・無戸籍児・虐待などを描いた旗揚げ公演。


2016年2月 第二回公演「まがいものの乙女たち」@konya-gallery
女の子のつらさ、いじめと復讐、卒業式をテーマに福岡女学院大学の学生と創作を行った。


2016年10月 「漂流」@くまもとDENGEKI
東日本大震災から5年後を描いた「海をわたる獏」の短編版。


2016年11月 第三回公演「海をわたる獏」@FUCA BASE
東日本大震災から5年後の気仙沼に生きるノリコが、失った家族や友達と夢の中で出会い、ゆっくりと別れていく物語。

 
2017年3月 collaboration live vol.2 “Spring assortment”@いじかるstudio
陰湿集団とのコラボレーション。宮沢賢治「春と修羅」をベースにしたリーディングhalo/earthなど6作品を上演。


2017年11月 第四回公演「藪に坐る人」@福岡女学院大学ハウイ館ホール
生まれた場所の差別や争いを超えて、魔女と人間の少女が「呪いの藪」で暮らす物語。


2018年12月/2019年2月 第五回公演「幸福な山羊王子とおひめさまのはなし」@福岡市赤煉瓦文化館
「幸福な王子」をモチーフに、女性同士のカップルに育てられた子・つぐみをめぐるラブストーリー。
2019年2月版は、トランスジェンダーの「アトリ」役を男女Wキャストで上演。

過去作品についてはこちらをご覧下さい。

灯台とスプーンは2023年よりLighthouse Camp Circle(灯台キャンプ場)という、あたらしい演劇のコミュニティをスタートしました。創作メンバー募集という形で集まった人たちと話をしたときに、すでに関係ができあがった場よりも、あらたに創作の場を旗揚げするような気持ちで「集まれる・関われる・相談ができる場」にしたいと思い、手探りですが関係性の構築や居場所作りをはじめています。

期間限定ではなく、長期的な関わり合いを通して、劇団だけではどうしても企画しにくい・やってみたい・試したいことなどを「一緒にやってみない?」と誘えたり、協力し合える/話せる居場所を目指す、創作のキャンプ場です。参加者には、フリーの俳優や所属のある方、社会人になり演劇を改めてはじめた方、子育て中の方などのメンバーがおり、俳優としてだけでなくさまざまな関わり方をしています。

キャンプ場に集う人は、「生活の中に演劇のある日々を送りたい意思」があり、「やってみたいことや技術向上などの目標がある」こと、「焚き火をしているところに水をかけない」こと、「周りの人に恐怖を与える態度や、差別的な態度を取らないよう心がけること」を、現段階で一応の条件としています。比較的オープンな集いではありますが、心理的安全性の保たれる活動の場を目指します。灯台キャンプ場に遊びに来てみたい、と思った方はお気軽にお問い合わせください。

灯台キャンプ場によくあそびにくる人たち

田村さえ、柳田詩織、花森もも、後藤百合香(以上、灯台とスプーン)
足立万実(劇団ジグザグバイト)、有森楓、久保文恵、桜井玲奈
進藤アヤノ、服部優、藤桃子、龍太郎(非・売れ線系ビーナス/melomys)、柳田光優

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