「まがいものの乙女たち」に向けてインタビュー 柳田詩織

灯台とスプーン第二回公演「まがいものの乙女たち」へ向けて、インタビューの企画をはじめます。今回は第一弾、「狐/真夜中の共謀」葛葉役、柳田詩織。会話形式でお届けします。

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—-今更ですが、自己紹介をおねがいします。

柳田詩織(以下柳田):いまさらだな……灯台とスプーンの柳田詩織と申します。役者と、運営面では衣装と制作を主にやっています。演劇をはじめたのは二十歳、きっかけは十九歳の頃に参加したWSでした。(実はそのWSで、安藤と会っているそう。)その後大学に入り、WSには引き続き参加しつつ、演劇と落語をしていました。

—-落語は、粗忽屋み柑という高座名で。

柳田:今は役者がメインです。で……いきなりこれを言うのはなんていうか、大丈夫かな、と思うのですが、大学時代は演劇って楽しいなって思いながらやっていました。今はそれほど…いや…なんていうか…

その場にいた一同:えーーー!

柳田:いや、結果的には楽しんでいるはずなんですけどね、わかりませんか? でも、(演劇を)やっていないと逆にだめというか、ガタがくるというか、そういう気がしながら今は役者をやっている、という感じです。学生の頃はなんでも楽しくてキラキラしていて、でも今はどちらかというとその苦しみと戦う方が大変に思います。

—-運営的な悩みと役づくり的な悩みでは、どっちの比率が高い?

柳田:運営的なものは、悩みとしてはそこまで無いかなと思います。そういうのって、つながっているから……でも、今のところで衣装や制作面で困ったことは無い…はずです。やはり、一番重く影響を与えているのが役づくりです。

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役づくりについて

柳田:灯台とスプーンが結成される前に、「水辺のアンシー」に参加した時からその感覚が始まっています。大学三年生でした。きりんの頭をかぶっている新興宗教の代表である青年の役をやったのですが、あれが悩みのはじまりです。今まではプラスの気持ちで「この役ができる!」っていう浮き足立った感覚とともに、例えば「明るい声をだして」みたいな表面的な表現でできていた。それが、通用しなくなったんですよね、どちらかというと役のもつコンプレックスを探して、その土台からつくる、ようになったことで、考える時間が長くなったように感じます。で、月日が経ち、そういう役づくりの方がしっくりくるようになってきた。

—-それらをふまえて、狐はどうでしたか?もうだいぶ時間が経ちましたが、葛葉のことを思い出すと。

柳田:葛葉は、設定が無戸籍の女の子で、唯一肉親の母親が行方不明になり、父親かもしれない(母親の元旦那)ひとのDVを受けに行き代わりにお金をもらう、というような役でした。はじめのつかみは「ああ、こういう子か」、という感覚、そこから言語化するのは厳しいのですが、葛葉の場合はうーん、「この人はこういう子だからこういう風に動くだろう/考えるだろう」というのが、最終的に自然に意識しなくても出来るようになりました。

—-今度の役について、抱負などありますか。

柳田:まだつかめていないので、はやく解放されたいと思っています。笑 今まだ定まっていない状況で、というかこの役の感じが、定まらない役というか……後は来て頂いて、観ていただければ結果がわかるかなと思います。

—–では、最後に一言おねがいします。

柳田:灯台とスプーン「まがいものの乙女たち」、女の子のお話です。アコースティックギターの深町さんと、素敵な役者さん達と作っています。きっと誰もが多かれ少なかれ、思い当たるようなお話です。ぜひ、お越し下さい。


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灯台とスプーン第二回公演
「まがいものの乙女たち」
作・演出:田村さえ

日時

2016年2月
19日(金) 19:00~
20日(土) 14:00~/18:00~★
21日(日) 14:00~/18:00~

★…深町将詞氏によるアフターライブ有。

開演30分前より開場いたします。

会場

紺屋2023 konya-gallery
(福岡市中央区大名1-14-28 第一松村ビル202)

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