「藪に坐る人」に向けてインタビュー① いりえ とくさん

はじめに、自己紹介からお願いいたします。

いりえとくと申します。昨年演劇を始めたばかりで、当公演が生まれて4回目の舞台となります。
それまで演劇とは全く関わりがない生活をしてきたので、今でも不思議な感覚です。

過去三回の内、岸田國士の「紙風船」に出演した以外はネタTシャツを着たり白塗りしたりイロモノを演じております。因みに初舞台は今回共演される薔薇園さんに演出をして頂きました。

(この日も、「言葉はいらない、愛してほしい。」と書かれたTシャツを着用。)

灯台とスプーンの印象や、これまでの関わり方について聞かせてください。

人生で始めてみた舞台が一昨年公演されたコラボレーションライブ「Starting over」で、それまで演劇自体をまともに観たことがなかったので、とにかく脳内が掻き乱された感覚でした。「こりゃすげぇや!」みたいな。

作風として、個人的には「人間の内面の底の底にある黒っぽい何か」を毎回感じています。内面の黒さというとあまり良くないニュアンスと感じられますが、決して悪いものではなく、繊細さや感情の機微、儚さなど、人間特有のアンバランス感が表現として顕されてるのかなと。

今回出演することを決めたきっかけは?

そもそも演劇を始めるきっかけが、灯台とスプーンでした。過去作にて音楽を担当した深町氏と元々友人で、彼から田村さんを紹介され、稽古見学にいくようになり、毎公演スタッフとしてお手伝いさせて頂くようになり・・・。非常に思い入れの強い団体さんなので、いつか必ず出演したいと思っており、今回のオーディションに申し込みました。

 (Collaboration live vol.1 “Starting over”のようす。奥でギターを弾いているのが深町将詞さんです。)

稽古については、和気藹々というか、緩やかな雰囲気の中で楽しくさせて頂いてます。己の力量不足により多々悔しさや申し訳なさを痛感はしておりますが、、、

今回の作品について

第一の見どころとしては、やはりコピーに含まれている「ひとつ願いを叶えるたび、何かを失くしていく」というフレーズが、作中にどう表現されていくかという所ですかね。

物語の根幹というか、観ている人にとって解釈は違えど、これが何を指すのか、何を意味するのかを感受して頂ければと思っております。

「魔女」がテーマですが、今回のお話は「自我同一性」といった言葉も同等に重要なワードになっていると個人的には思っておりまして、知性や理性を持ち言葉を交わして疎通をする存在同士が、その特性故に素晴らしくもあり悲しくもあるという事を踏まえ、いかに自分と自分以外の存在を切り離して自己を保っていられるか、という事を考えたりしています。

自分の役については、なんというか、お楽しみ頂けるように詳しい役柄は伏せたいのですが、とても楽しい反面、とても苦しいと思っております。人物的にというよりは、演じるうえでという意味になりますが。

役割として、お話の中のプロットやストーリーを全て含めて自分の中に落とし込まなければいけないと思っていますので。とても素敵な役を与えて頂いたことに感謝しております。

最後にひとことお願いします

念願の灯台とスプーン、素敵な公演にしたいと思っております。

公演を通して一箇所でも、観る人にとって何か感じられる部分があればいいなと。

役割としてそのお手伝いが少しでもできたらいいなと思いながら励んでいます。お楽しみに!

灯台とスプーン第四回公演「藪に坐る人」

日時:2017年11月
17日(金)19:00
18日(土)13:00/16:00/19:00
19日(日)13:00/16:00
※開演30分前に開場いたします。

会場:福岡女学院大学構内ハウイ館学生ホール(福岡市南区日佐3丁目42-1)

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