「幸福な山羊王子とおひめさまのはなし」に向けてのコラム 照明:菅本千尋さん

こんにちは。
Yb(イッテルビウム)所属、菅本千尋と申します。今回、「幸福な山羊王子とおひめさまのはなし」2月公演で照明を担当させて頂くことになりました。
紺屋galleryと福岡市文学館、2会場での公演ということでドキドキわくわくしています。

 

私は照明担当ですが、光の話はしません!

代わりに、愛の言葉について少し書けたらなあと思います。

愛の言葉ってなんでしょう。愛を伝える言葉。あなたのことを愛してる、好き、付き合って、結婚しよう。愛を得るために生まれたストレートな言葉から、その文脈や関係性の中でしか意味を成さない内緒話みたいなものまで、ほんとうに沢山ありますね。
ちなみに私が高校時代に上演した作品では、告白の言葉が「一緒にいよう」でした。なんかすてき。

「愛」の中身はそれぞれ微妙に、確実に違う

人間って、いつの時代、どんな場所にいても、愛が好きですね。テレビをつけたらお話の中でも外でも好きだ嫌いだの話をしています。私も恋バナが大好きです。
藝術を振り返ってみても、恋愛に限らずあらゆる愛が見られます。親子愛とか神への愛とかね。愛ってものすごく懐が深くて、いろんな気持ちを包んでくれるんじゃないかな。
でも、だからこそ。愛の中身がそれぞれ微妙に、けど確実に違うからこそ、悲劇が起こると思うのです。ちがうの! って。わたしのあげた愛はそれじゃない! ちゃんと正しく受け止めてよ! ってね。

愛してる、の換言や実行って、多分それぞれで、伝わったり伝わらなかったりしますね。そのために私たちは嬉しくなったり悲しくなったりするけれど、何が起きたって愛はひとつも変わっていないと常々思うのです。

伝わっても伝わらなくても、そのとき感じた愛は本物だから。具体的に関係性を変えたいとかそういうのは、まあひとまず置いておいて、ただ(物理的に、あるいは、心理的に)目の前にいるあなたのことがひどく愛おしい。そういう切実な気持ちが、今このとき、訪れたなら、それだけ見つめていたい。
バスの中で稽古場で、歩きながら音楽を聴きながら、生きているとき、私は最近そんなことを空想しています。

「山羊王子」本番を目前にして

けいちゃん、えっちゃん、アトリ、もとこ。座組のみんな。観に来てくれたお客さん。会ったことのないあなた。私の大好きな人たち。
みんなが、決して重なることのない、ひどく孤独で、だからこそ特別な、あなただけの愛の中に在りますように。
ぜひ公演にお越しください。

2019年2月公演


2月22日(金)20:00、23日(土)13:00/16:00/19:00 @konya-gallery
24日(日)14:00/18:00 @福岡市赤煉瓦文化館(※24日のみ会場が変わります)
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